2016/04/10

「AIの遺電子」が贔屓抜きに面白かった件

昼間、近所で世田谷線沿い街歩きがあるので
ちょっとだけ顔を出し、
ついでに作例撮って家で写真の整理とかあれこれお仕事。

4月8日発売だった「AIの遺電子」をやっと読めた。
Amazonから届いていたのだけど、バタバタしてて時間とれなかったのだ。

デカデカとすごい帯がついてるけど、ブラックジャックと堂々と書けるのは
少年チャンピオンならではですな。

電子書籍版でもよかったのだけど、
初の単行本なので紙で。
紙で枕元においておきたい感じだったから。

実は山田胡瓜先生、
元ITMediaの記者で、当時何度かケータイ関連で一緒に仕事したので
本人を知ってるのである。
まさかこんな経緯でITMediaにはいってたとは。

――大学卒業後はIT記者の仕事に就かれていたんですよね。 
大学で就職の合同説明会があったんですけど、みんなスーツ姿のなか私服でフラフラしていたら、ITmediaの人に声をかけられたんです。僕の家にはまともに動くパソコンもなく、ITのことを何も知らなくて、「ブラウザってなんですか?」という状態だったんですけど(笑)。
――えー、そうだったんですか! 
もともと本当にアナログ野郎だから、今、文章の語尾に「w」をつけているのを当時の自分が見たら「何やってるんだお前!」ってビックリすると思います。「オタクになっちまったのか!」と(笑)。
→ IT記者から漫画家へ―― 山田胡瓜が描く、テクノロジーと人類の未来 - ライブドアニュース

漫画家の知人はいるけど、
知人が漫画家になったというのははじめてなので
そういう経緯があって予約購入したんだけれども、
すごくいい!

マンガとして良いのはおいとくとして、
大事なのは
・人間とヒューマノイドが共存してる社会なのだけど、両者の見た目がまったく同じで読者に区別がつかないこと
・科学技術が魔法でも特異なものでも一部の人が使いこなす難しいものでも何でもなく、きちんと生活に溶け込んでいること
だ。
特に2番目はものすごく大事で、これ「わかってる」人じゃないと描けないよなと思う。

ヒューマノイドがすでに溶け込んだあとの話なので、
ひょんなことで、
あ、人間とヒューマノイドは違うんだ、という事実が漏れ出たり、
逆に両者は異なる存在なんだけどひょんなことで共通点が見いだされたり、
ちょっとしたきっかけで差異を乗り越えたり、
そこに物語が生まれる。

物語のきっかけを齟齬→軋轢にしちゃうと、
最後はヒューマノイドvs人間の最終戦争になっちゃうけど(笑)
決してそうはしないところが重要で、
過渡期ならではのズレをすぐ齟齬から軋轢に成長させがちな
今の時代に描かれるべきだし、読まれるべきなのだ。

そんなわたしは、圧巻の第1話を除けば、
彼女が猫を助ける話がたまらんです。
さりげないけどたまらん。



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