2015/08/14

とはずがたり

あれこれ原稿を書く。
まだどうなるかわかってない仕事だけど待っててもしょうがないのでまず書いてみる。
よいものが書ければ強引に突破もできよう。

とはずがたりを読む。
鎌倉時代中盤、皇族が名ばかりの将軍職についていたころの時代、
後深草院天皇の女房である二条が書いた日記文学。

読みたかったのは恋愛譚ではなく、
後半、二条が出家し、東国へ旅をしたときの箇所なので
主にそのあたりしか読んでないのだけど、
当時の東国の様子がわかって面白い。
特に長期滞在した鎌倉(何しろ、幕府があった場所だし)の描写が、
「京の上から公家目線」だからたまらん。

さて、
お話に出てきた旅程。

美濃→尾張→三河→遠江→駿河→伊豆→相模
と進んだわけで
美濃は赤坂
尾張は熱田や鳴海潟(鳴海は海辺で干潟だったのだ)
三河は八つ橋(伊勢物語で有名な場所)
……遠江は記述無し(かわいそうに!)
駿河は清見が関と浮嶋が原。
伊豆は三嶋大社。
おそらくは箱根を越えて、
相模は江ノ島(当時はやってたか)に立ち寄って鎌倉入りしてる。

鎌倉から武蔵国の川口(川口宿。対岸は岩淵宿。荒川ではなく当時は入間川)、
そしていきなり碓氷峠を越えて善光寺。
上野国の記述は無し。

武蔵国へ戻ってきて浅草あたり(ちょっと間違いもあるけど)
そして鎌倉。

帰り、
やっと遠江国の小夜の中山という地名が出る。

一応各国の物語や歌で有名なところはおさえてるのが面白いんだが、
旅程をはしょらずにもうちょっと通過した場所について
地名だけでいいから書いておいて欲しかったなあ、
武蔵国の話がもうちょっと欲しかったなあ
と、古道好きとしては思うわけでした。


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