2013/08/07

炎天下の長瀞へ撮影に行く(後編)

前編はこちら→混沌の屋形風呂: 炎天下の長瀞へ撮影に行く(前編)

・かき氷屋が臨時休業してて大ショック

15時にもなったし、かき氷でも食って帰るか、と
長瀞駅前から宝登山参道を上り、「阿左美冷蔵」宝登山道店に向かって歩くも
なんか様子が変。店の前でうろうろしてる親子連れが。

なんと、臨時休業でした。がーん。これは大ショック。
長瀞でかき氷を食うのが目的のひとつだったのに。
諦めきれずうろうろしてる子供
本店なら開いてるそうだが、そこまでいく元気は残っておらず、
せっかくだから宝登山にロープウェイで登るか、と思ったけどそれもめんどくさくなり(宝登山は30年近く前に一度登ってるし)、
駅前にある「阿左美冷蔵」暖簾が出てるかき氷屋のどれかで食べてすまそうととぼとぼと歩いていると、
道の反対側で猫発見。

きれいなハチワレの猫だったのでそれを追いかけて道路を渡ってみると、
射的屋兼かき氷屋の猫だったのでした。

あらー。
というわけで、それも何かの思し召しかとそこでかき氷を食うことに。
おそろしや招き猫。猫には勝てません。
氷をきちんと掻いてます。すばらしい。

抹茶ミルク

ちょっと高かったけど、昔ながらのめちゃ背の高いかき氷が出てきて、
それがまた旨くて満足。

・秩父鉄道で御花畑へ

帰りの電車を調べると、どうも西武秩父駅には秩父駅ではなく御花畑駅で乗り換えるらしい。なんともよくわからんが、それに合わせて秩父鉄道に乗る。
途中、和銅黒谷駅を通過する。
この辺で「和銅」が見つかったんだよなと車窓をみると、
山の斜面に「和銅」と書いてある。
斜面の岩肌に「和銅」と書いてある

きっとあの辺が採掘地址なんだろう。
今度、仕事抜きでゆっくり遊びに来たとき、訪れてみたい。
「和同開珎」 和銅遺跡

・秩父と和同開珎

今や秩父というと埼玉県のはずれというイメージなんだけれども(だよね?)、
実は歴史はすごく古いのだ。

かつて埼玉・東京・神奈川(の川崎市と横浜市あたり)は広大な「武蔵国」だった。
この武蔵国は、古代(7世紀頃。飛鳥時代)、「知知夫国」(ちちぶ)と「无邪志国」(むさし、あるいはむざし)の2つが一緒になって成立したもので、「ちちぶ」はひとつの国だったのである。

その後、704年、秩父で自然銅が見つかって朝廷に献上され、
それを喜んだ天皇が元号を「和銅」とあらため、さらに銅貨「和同開珎」(わどうかいほう)を発行したのである。
日本書紀に書かれるような大ネタがそこにあったのである。

秩父は山の中だけれども、荒川の上流にあり、広い盆地があり、荒川を使った水運で江戸方面につながるし、荒川に沿って熊谷まで出れば、当時武蔵国よりずっと大きな勢力を持っていた毛野国(けぬのくに。後の上野国・下野国、今の群馬県・栃木県)にほど近く、大昔から開けていたのである。
そういう意味ではよい場所だったのかと思う。
和銅も船で浅草から品川、さらに尾張の方へ運ばれたんじゃないかと思う。
にしても荒川ってすごいな。

その後、平安時代後期のこと、
上総国に腰を据えた桓武天皇の孫である平高望は上総国国司として東国へ下り、
任期が終わっても都には戻らず、そのまま土着した。
都に戻りたくない事情があったのか都に戻っても臣籍降下した身では出世も望めず、それなら東国で力を持った方がいいと考えたのかはしらないけど。

その末裔の一人が秩父を領して秩父氏となったのである。
秩父平氏の末裔には、中世の武蔵国で活躍した、
豊島氏・江戸氏・川崎氏・川越氏・葛西氏・畠山氏など錚々たる面々が揃ってる。
畠山氏は熊谷とか深谷市のあたり、さらに川越・豊嶋・江戸・葛西って名前をみると、いい感じに荒川沿いをおさえてる。
水運が重要だった時代に荒川を抑えてたってことで
どれだけ勢力を誇っていたか想像できる。

・御花畑駅と西武秩父駅

秩父鉄道御花畑駅で降り、5分ちょっと歩いて西武秩父駅へ。
知らないとわけわからん乗換である。
御花畑駅は荒川沿いの低地にあり、
西武秩父駅は荒川沿いの河岸段丘の上にあるので
平面上はすごく近いのだが標高差がちょっとある。
右が秩父鉄道(単線)。左にちょっと上る線路が西武秩父線とつながっている。
左上、ちょっと高い場所に見えるのが西武秩父駅なのだ。

だから少し上る。でも秩父鉄道とつながる線路もあり、直通運転もあるそうな。
秩父駅の前には西武っぽいテイストのアーケード商店街が作られていて
秩父でとれたカエデから作られたメープルシロップを使ったジェラートを食う。
カエデネタ満載でありました。

・レッドアロー号

西武秩父駅からレッドアロー号で池袋へ。
車内では寝てようと思ったのに、車窓の風景が面白すぎてねむれん。
山の中をクネクネと走るんだが、途中、廃墟っぽい巨大な施設脇を通ったり、谷地に集落がぼかんと現れたりと見てて飽きないのだ。
その都度、グーグルマップを立ち上げて現在地を確認したりしてるとねむれんのである。
やがて飯能駅に到着。
ここで前後が入れ替わる。
前を向いて池袋まで行きたい人は自分で座席をひっくり返さないといけない。
そうしている客も数人いて
わたしもそうしたかったのだが、後ろに席の人が熟睡しており、
勝手にひっくり返すと対面になっちゃうわけで、起こすに起こせず
結局後ろ向きのまま池袋へ。
いやはや、面白い特急だこと。

ともあれ、所沢から池袋まで熟睡。
でもって帰宅。


遠かったけど面白かったわ。


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